そんなことを考えていたら、ふと、風に乗って流れてきた香り。
「ユキさん、今日も接待でした?」
「どうしてわかる?」
「香水の匂いがしたから」
ユキは自分の服をつまみ上げて、くんくんと鼻を近づけた。
「あれで匂うんだ……」
ユキは街との付き合いで、夜のお店の出入りも多くなったようだった。
仕方のないこと。
……わかってる。
家に帰って、順番にお風呂に入って。
一緒にベッドに入る。
「明日、何時に起きますか?」
「11時に起こして」
アラームをセットしたスマホを、ベッド脇にコトリと置く。
ユキの手が、宙に浮いたままの私の腕を滑るように辿り、右手を握った。
「………」
ちゅ、とその手に口づけを落とす。
私はじっとユキの瞳を見つめた。
「………」
伏せた瞳が、こちらを向く。
絡み合う視線。
いつ見ても、色素の薄いユキの瞳は透き通っていて、美しい。


