「どうした?」
「この間教えてもらった入力って、どこからできるんでしたっけ?」
尋ねれば、一歩距離を詰めたユキ。
「見てて」
私の持つマウスに、大きな手が重なる。
「ここ」
ユキの息が、耳にかかる。
「………」
カチ、カチカチ。
マウスの操作音に、目の前の画面が切り替わる。
……しまった。
ドキドキしている間に、お手本の操作が終わっちゃった。
ちゃんと見れてない。
どうしよう。
「わかった?」
「もう一回……」
申し訳ない。
そんな風にお願いをすれば、すぐ隣で喉ぼとけがくっと上下する。
「いいよ」
ユキは呆れたりせずにもう一度教えてくれて。
最後は頭の上を撫でて、「行ってくる」と出かけて行った。


