余所者-よそもの-【 3 】




順番に食事を出しながら。

フロアから聞こえてくる話に耳を傾けていた。


「ユキさん、契約の優先順位なんすけど」

「うん」


フロアでハイボールを飲んでいるユキに付き合って、ビールを飲みだした野間が話しかけた。


「今ユキさんがスケジュールで組んでるコレ、後回しにしません?先コッチ片付けたいっす」

「理由は?」

「単純に一撃の利益がデカいんで。それにコイツ、スピーカーなんで早く黙らせたいんすよね」

「却下だ」

「なんでっすか?」


「確かにコッチの方が一見利益は少ないが。でも金の流れを見てるとコイツ、横の繋がりがそこそこあるように見える」

「……あ、ホントだ。今まで特に目立たなかったんで、特に気にしてなかった」

「何かしら付き合う利点があるんだろ。どんな繋がりかは知らないが」

「コイツ一人話まとめれば、コミュニティ含めたトータルの利益がデカいってことっすね」


「そう。それに……ノマケンの推してるコッチ。こいつは鬱陶しい」

「クセモノっすね。けど、だからこそ黙らせたいんですが……条件交渉入ってきてるし」

「いや、しばらく放置だ。コイツがスピーカーなら尚更条件を譲るわけにはいかないし、もうちょっと煽る」

「僕らが下手こけば街中に言いふらされますもんね。熱くなってから畳みかけにいくつもり、そういう理解で合ってます?」

「後者は合ってる」

「……下手こく気はねぇってことっすね。りょっす」


難しい話に目が回る。

ユキは野間のことを『有能だ』と言っていた。

話を聞いていてもわかる。


ユキは野間を頼っているし。

野間だってどこか楽しそう。