順番に食事を出しながら。
フロアから聞こえてくる話に耳を傾けていた。
「ユキさん、契約の優先順位なんすけど」
「うん」
フロアでハイボールを飲んでいるユキに付き合って、ビールを飲みだした野間が話しかけた。
「今ユキさんがスケジュールで組んでるコレ、後回しにしません?先コッチ片付けたいっす」
「理由は?」
「単純に一撃の利益がデカいんで。それにコイツ、スピーカーなんで早く黙らせたいんすよね」
「却下だ」
「なんでっすか?」
「確かにコッチの方が一見利益は少ないが。でも金の流れを見てるとコイツ、横の繋がりがそこそこあるように見える」
「……あ、ホントだ。今まで特に目立たなかったんで、特に気にしてなかった」
「何かしら付き合う利点があるんだろ。どんな繋がりかは知らないが」
「コイツ一人話まとめれば、コミュニティ含めたトータルの利益がデカいってことっすね」
「そう。それに……ノマケンの推してるコッチ。こいつは鬱陶しい」
「クセモノっすね。けど、だからこそ黙らせたいんですが……条件交渉入ってきてるし」
「いや、しばらく放置だ。コイツがスピーカーなら尚更条件を譲るわけにはいかないし、もうちょっと煽る」
「僕らが下手こけば街中に言いふらされますもんね。熱くなってから畳みかけにいくつもり、そういう理解で合ってます?」
「後者は合ってる」
「……下手こく気はねぇってことっすね。りょっす」
難しい話に目が回る。
ユキは野間のことを『有能だ』と言っていた。
話を聞いていてもわかる。
ユキは野間を頼っているし。
野間だってどこか楽しそう。


