余所者-よそもの-【 3 】



「かぁこ」


ユキは野間と話をしながらも、カウンターの中に回り、私のいるキッチンまで一目散にやってきた。


ユキとはついさっき。
お昼前にマンションで別れたばかりだ。


「ユキさん、お疲れ様です」

「ただいま」


揚げ物をしている私の背後に立ったユキ。

後ろからそっと抱きついて、うなじにキスを落とした。


「もう、危ないですよ」

そう注意をすると、次はほっぺに唇がくっつく。


「ごめんね」

ユキのその顔は、悪いって思ってない。


「ユキさん、ご飯はさすがに要らないですよね?」

マンションで一緒にご飯を食べてから、そう時間も経っていないし。


「んー。余ってるものでアテがほしい」

「え?お酒飲むんですか?」

「一杯だけ。飲まなきゃやってられない」


くたびれ声を零すユキは、もうずっとシトウのことで忙しい。


「今日も帰り遅くなりそうですか?」

「ううん、今日は迎えに行く。一緒に帰ろう」


ユキの多忙さは、朝日が昇っても帰れない日があるほど。

けれど一緒に帰れるってことは、遅くとも深夜四時には帰ってくるってことだ。

……今日は、いい日。