「カナコさん、乙っす」
「野間くん。お疲れ様」
次は野間がやってきた。
「あ、今日は唐揚げがある。ラッキー」
「あれ?ユキさんは?」
「もう少しで来るっすよ。外で一本だけ電話するって」
野間は基本、ユキと行動を共にしている。
私は帰ってきてすぐ、一度尋ねた。
『野間くんは、シドには着いていかないの?』
野間は、迷う様子もなく答えた。
『はい。僕は紫藤さんと同じくらい、このシトウの街が好きなんで』
だけど、シトウの街だけが理由でもなさそう。
『ユキさんがどんな風に街を創り直すのか、僕は楽しみなんです』
こうも言っていたから。
「ノマケン」
「あ、ユキさん。どうでした?」
「話まとまった」
「ああ、よかった。さすがっすね」
野間の後ろには、いつの間にかユキが立っていた。
最近、ユキは野間のことを『ノマケン』と呼ぶ。
野間もユキのことを『ユキさん』と呼んでいるあたり。
私がシドのところにいた間に、二人はずいぶん信頼関係を築いたのかなと思う。


