余所者-よそもの-【 3 】



──私がユキの元に戻って、一ヵ月が経った。


AnBarの一階。

時刻は夕方。


私は一人、キッチンに立っていた。


そう。

私のいない間に改装されたAnBarには、キッチンが増設された。


「ママーごはん」


寝起きの千景が、匂いにつられてキッチンにやってくる。


「おはよ、千景。今日は早いね?」


千景は、私と一緒にシドのマンションを出てから、AnBarの二階に棲みついている。

……勝手に。


「今日パパに呼び出されちゃって」


千景の言う『パパ』はユキのこと。

いつの間にか、そう呼ぶようになった。


私に対する『ママ』に、ユキに対する『パパ』。

意味深に感じてしまうけれど、本人曰く『金づる』って意味らしい。