──数日後。
AnBarに届いた、いくつかの段ボール。
中に詰め込まれていたのは、大量の書類。
「あーこれ、シトウが管理してる利権関係の契約書っすね」
一番上の書類をちらりと見て、野間が言った。
ユキは段ボールから何冊か抜き取り、中を改める。
「おい、これ」
「バレちゃいました?」
「契約書の意味を、紫藤は知ってるのか」
「紫藤さんは恐怖支配でしたから。契約とか、そんなん別に要らなかったんすよね」
「………」
契約書、と呼ぶにはあまりに内容が薄い。
どの店から、いくら入る。
どの土地を、誰が使ってる。
誰が、何を管理している。
契約条件も、責任の所在も。
期間も、ロクに書かれていない。
契約書というより、シトウの利権を記した地図だった。


