余所者-よそもの-【 3 】




「かぁこ」


ユキの手が、頬に触れる。

そのまま滑った手が、うなじに回る。


わずかに傾いたユキの顔が、ゆっくりと近づく。

細めた目に、長いまつ毛の影が落ちた。


ユキの髪が私のまつ毛に触れて、目を閉じた。


唇が、ふ、と軽く重なる。


冷気に晒され続けた唇は、ひんやりと冷たかった。


「……寒いね」

「寒いですね……」


ユキは私の脇に手を差し込むと、

「……うわっ!」


そのままぐん、と勢いよく抱き上げた。


「私、歩けますよ」

「知ってる」


私を抱いたまま、ユキは歩きだした。

ぎゅう、と腕の力を強める。


「温かい」


そう言って、冷たい顔を温めるように。

ユキは頬と頬をくっつけた。