余所者-よそもの-【 3 】



「もし……シドとの関係がなくて、タカのこともなくて」

後悔も、傷も、何もなかったら。


「私、この街にいたかな?」


なんでか、泣きたくなった。


「俺、もしかしたら間違ってお前を地元に帰したかもね」


ユキの眉間にも、薄く皺が寄った。


「みんなとも、出会えてなかったかも」

「お前をAnBarで働かせることもなかったかも」


何もなければ。

こうしてユキに惹かれることだって、なかったのかもしれない。


……ユキさん。

私はユキに手を伸ばした。


足を一歩、大きく踏み出した。


……つもりだった。


「──わっ」


長い間立ち尽くしていたクロッグサンダルの裏には、雪がすっかり固くくっついていた。

身体だけが前へつんのめって。


格好悪く、雪の上に突っ伏した。