余所者-よそもの-【 3 】



カナコが振り返る。


「……っ、シド!!」


紫藤はもう、振り返らない。

その大きな背中に、カナコは叫んだ。


「助けてくれて……っありがとう!!」


紫藤はその声に、口端を上げる。


「………」


……馬鹿言うな。

助けられたのは、俺の方だ。


それは、言葉にはしなかった。


顔を上げれば、交差点を渡り切った先に。


「怜」

「紫藤」


多夜と、アオイが待っていた。


慌てて出てきたのか、ジャケットの下は寝巻のまま。

白い息を吐きながら、寒そうに立っている。


二人は声を揃えて言った。


「「帰ろうか」」


ほんと、馬鹿ばっかだな……。



「──……ああ」



紫藤 怜は、笑った。