紫藤のその問いに。
瑞生はかったるそうに、首の後ろを掻いた。
「さぁ。俺が欲しいのはコイツだけだ」
「答えろ。女の為に獲った街を、どうするつもりだった」
瑞生の瞳が、カナコへ移る。
ゆっくりと瞬きをしてから、紫藤へ視線を戻した。
「別に、どうも。もうコイツが悲しむことのない街にするだけだ」
紫藤はわずかに目を見開いた。
そして、ふっ、と鼻で笑う。
「馬鹿だなお前」
「………」
「コイツは俺みたいなクソ野郎も放っておけねぇほどの、お人よし」
「ああ」
「コイツが悲しまない街……そんなモン、ただ街の馬鹿野郎共を背負うより、何より難しい」
「そうかもな」


