「………」
「………」
サク、サク。
サク、サク。
瑞生との距離が、少しずつ縮まっていく。
──やがて。
紫藤はカナコの手を引いたまま。
瑞生の正面に、静かに、立った。
「………」
「………」
二人の視線が、ぶつかる。
紫藤の、深い夜のような漆黒の瞳。
瑞生の、ガラス細工のように透き通った瞳。
互いに目を逸らさないまま。
紫藤は、カナコの手を、そっと手放した。
「お前、なんでシトウに抗争を仕掛けた?」
瑞生はゆっくりと口を開く。
「お前から、コイツを守るため」
「シトウ獲って、どうするつもりだった」


