余所者-よそもの-【 3 】




「……ユキ……さん」



聞こえるはずのない、その小さな声に。


「………」

瑞生が、こちらを振り返る。



「──……ユキさん!!!」


カナコは弾かれたように、走り出そうとした。


「……っ」

紫藤はその腕を、捕まえる。



行かせない。

手放さない。


行くな。

戻れ。



紫藤は、カナコの腕を強く握りしめた。

カナコの足は止まった。


その奥では。



「………」

瑞生が。

じっと動かず、待っていた。