余所者-よそもの-【 3 】



サク、サク、と音を立てながら、雪道を歩く。


「そういやお前……」


遠目に見えてきた、自分の家。

交差点の前にそびえ立つ建物をみて、ふと思い至る。


「お前を拾った日もクリスマスだった。っつーことは、あれ誕生日だったのか」

「うん」


紫藤はやっぱりかわいそうな女だと思った。

血を流し、裸同然の格好で交差点に放り出されていたカナコ。


コイツの昔の男は。

よりによって彼女の誕生日に手を上げ、あの場所に捨てたということだ。


思わず眉間に力がこもる。


「やっぱりわざとだったんだ」

「……なにがだ」

「シドが私に買ってくれたスマホの……電話番号」

「ああ」

「出会った日付を下四桁に設定してくれたんだね」

「選べるっつーから。クリスマスがわかりやすかった」


紫藤は出会って間もなく、何も持ってない彼女にスマホを与えた。

ショップで下四桁を選べと言われ、特に何も考えず。


『1225』──クリスマスの日付を選んだ。


それは紫藤がカナコを拾った日であり、カナコが男と別れた日であり。

クリスマスであり、彼女の誕生日だった。