「私、これ好き」
カナコが手に取ったのは、トリュフチョコレート。
紫藤はそれを横目に、チョコレートクッキーを棚から取った。
「クッキーもありかも」
「なんでもアリだろ」
そう言った紫藤は、いろんな種類のチョコレート菓子を取っていく。
ウエハース、チョコがけのポテトチップ、パイ、なんでも。
カナコは笑った。
ケーキに乗りきらない、と。
紫藤も笑った。
いろんな種類のチョコレートを、カナコと一緒にトッピングして。
ケーキが隠れるくらいのチョコレートを乗せてやれば、彼女がおかしそうに笑う。
そんな光景を想像して。
やがて、一つのレジ袋をいっぱいにして、コンビニを出た。
ガサガサと揺れる袋は、紫藤が手に持った。
もう片方の手で、カナコの手を勝手に握る。
「………」
寒さでこわばっていた紫藤の顔が、ふっと綻んだ。


