余所者-よそもの-【 3 】



「私、これ好き」


カナコが手に取ったのは、トリュフチョコレート。

紫藤はそれを横目に、チョコレートクッキーを棚から取った。


「クッキーもありかも」

「なんでもアリだろ」


そう言った紫藤は、いろんな種類のチョコレート菓子を取っていく。

ウエハース、チョコがけのポテトチップ、パイ、なんでも。


カナコは笑った。

ケーキに乗りきらない、と。


紫藤も笑った。

いろんな種類のチョコレートを、カナコと一緒にトッピングして。

ケーキが隠れるくらいのチョコレートを乗せてやれば、彼女がおかしそうに笑う。

そんな光景を想像して。


やがて、一つのレジ袋をいっぱいにして、コンビニを出た。


ガサガサと揺れる袋は、紫藤が手に持った。

もう片方の手で、カナコの手を勝手に握る。


「………」

寒さでこわばっていた紫藤の顔が、ふっと綻んだ。