余所者-よそもの-【 3 】



「遅くてごめん」

「いい。掴まれ」


ポケットに手を入れたまま。

くの字に曲がる腕を差し出す紫藤。


「ううん、平気。本当は私がシドに手を貸さないといけないのに」

「あ?」

「シド大丈夫?雪で足元悪いし、やっぱり──……」


紫藤は問答無用でカナコの手を取った。

腹が立った。


お前が俺に手を貸すだと?

いつまでも病人扱いしやがって。


手を貸すのはどう考えても、俺。

自分の方が歩くのが遅いくせ、こっちの心配なんかしてくんな。


そんな気持ちで、ぎゅっとカナコの手を握る。


「行くぞ」


カナコはその手の力強さに何も言えず。

黙って歩いた。