カナコは難しそうな顔をして、しばらく考えた。
紫藤は辛抱強く待った。
カナコの欲しいものを、知りたい。
するとカナコはパッと顔を上げた。
寒さで赤い、鼻の先。
白い息を吐きながら、丸い顔をもっと丸くさせて、ニッコリと笑いかける。
「ほしいのは……シドの、元気!」
「………」
どうしてコイツは、こうも……。
ピクリと腕が動く。
抱きしめたい。
湧きあがる欲求を抑えるように、拳をぐっと握る。
「でかけるぞ」
紫藤はそう言いながら、掃き出し窓を開け、部屋に戻ろうとする。
カナコはその背中を追いかけながら「え?」と突然の行動に戸惑っている様子だった。
「でかけるって……今から?」
「ちょうど今日、医者から外出の許可が出た」
「どこに行くの?」
「……コンビニくらいしか開いてねぇ」


