余所者-よそもの-【 3 】



カナコは難しそうな顔をして、しばらく考えた。

紫藤は辛抱強く待った。


カナコの欲しいものを、知りたい。


するとカナコはパッと顔を上げた。

寒さで赤い、鼻の先。

白い息を吐きながら、丸い顔をもっと丸くさせて、ニッコリと笑いかける。



「ほしいのは……シドの、元気!」



「………」

どうしてコイツは、こうも……。

ピクリと腕が動く。


抱きしめたい。

湧きあがる欲求を抑えるように、拳をぐっと握る。


「でかけるぞ」


紫藤はそう言いながら、掃き出し窓を開け、部屋に戻ろうとする。

カナコはその背中を追いかけながら「え?」と突然の行動に戸惑っている様子だった。


「でかけるって……今から?」

「ちょうど今日、医者から外出の許可が出た」

「どこに行くの?」

「……コンビニくらいしか開いてねぇ」