「朝いちばんにプレゼントを見つけて。日が暮れるまで新しいおもちゃで遊びながら。夜のチキンと、特製ケーキを楽しみに待ってた」
「特製ケーキ?」
紫藤が尋ねれば、なぜかカナコの顔が赤くなる。
「……別に、アピールしたかったわけじゃないんだけど」
「なんだよ」
「特製ケーキは、クリスマスケーキに乗ったサンタさんの飾りの横に大きなチョコレートボードを立てるだけ」
「………」
「お誕生日おめでとうって……」
尻すぼみになる言葉。
カナコはとても恥ずかしそうに、顔を伏せた。
「クリスマスっつーか。お前今日誕生日じゃねぇか」
「うん」
「何ほしい?」
「ほら。そういうつもりで言ったんじゃないんだって」
「いや。誕生日でなくても、お前にはなんか買ってやりてぇと思ってた」
「私はいいよ。アオイに買ってあげて」
「アイツには十分に買い与えてる。この間なんか『もう勝手に買うな』ってキレられた」
怒るアオイを想像したのか、カナコはおかしそうに目を細めた。
紫藤は一歩、距離を詰める。
「誤魔化すな。で、何が欲しい?」
「なんだろう。思いつかなくて」
「なんでもいいだろ、服でも鞄でも」
「うーん……」
「何べんも聞いてるのにいつもお前は要らねぇっつーから。誕生日ぐらい、ちゃんとねだって来い」


