余所者-よそもの-【 3 】



カナコは外へと視線を戻した。

遠くのネオンを眺める彼女の瞳に、光がちらちらと映っている。


「どうした」

「今日、クリスマスだから」


紫藤はだからなんだ、とわずかに首を傾げる。


「シドの家のクリスマスって、どんなのだった?」

「どんなのって、別に普通」

「チキン食べたり、プレゼントもらったり?」

「そうだな」


カナコは吐く息を白くして、笑った。


「んだよ」

「ちっちゃな頃のシドが想像つかなくて。プレゼントはツリーの下?」

「いや、枕元。起きたらあった」

「ふぅん」


まだ子供だったころの紫藤を楽しそうに想像するカナコ。

紫藤だって、子供のカナコが気になる。


「お前の家は?」

「うちは少し変わってたよ。宝探しゲームみたいな感じ」

「なんだそれ」

「『サンタさんは寒いところにプレゼントを置いていく』って言ってね。朝起きたら、よーいどん、で、パジャマのまま、ベランダとかガレージとか玄関とか。家の寒いところを探し回るの」

「面倒くせぇな」


紫藤が想像する子供のころのカナコは。

今、隣で無邪気に笑う彼女と、そう変わらない。

子供のまま大人になってしまったんじゃないかとさえ思った。