──時刻は日付の変わった、深夜。
シトウ郊外、マンション。
カナコはベッドの上で横になりながら、メッセージの作成画面を開いていた。
宛先は、ユキ。
文字を打っては消し、打っては消し。
繰り返して。
最後は空白になったメッセージを、何も送信しないまま閉じた。
ベッドの下では、布団を敷いて眠るアオイ。
起こさないように、音を立てないよう気を付けて部屋を出る。
ダイニングを通り過ぎ、その奥。
カナコはベランダに出た。
雪が、降っていた。
「……綺麗」
誰に聞かせるわけでもなく、そう呟くと。
後ろの掃き出し窓が開く音に、振り返った。
「……ごめん。起こしちゃった?」
「いいや。起きてた」
紫藤がカナコの隣に立つ。
寒そうに肩をすくめた。


