余所者-よそもの-【 3 】



そんな中。

黒い車が、女を連れ去った。

女の知り合いかもしれないし、そうでなければ乱暴でもされるのか。


どちらにしても俺には関係ない。

そう言い聞かせて、再び車に乗り込んだ。


紫藤との待ち合わせの場所。

そこで待っていたのは、さっき交差点に落ちていた女。


──カナコ。


あの時、俺が逃げたものが。

手を伸ばせなかったものが。


紫藤からのツケとなって、返ってきた。



”ユキさんはいつの間にか 変わった”

“きっと私も 少しは変われた”

”始まりはたぶん 雪の日”


”あの交差点”


「………」


ユキはしばらくの間。

自分の手のひらを、見下ろした。