その二文字は。 ノートの隅っこに、小さく書かれていた。 ユキはその感情に触れるように。 冷たい、紙の上。 ”すき”の二文字を、そっと指で撫でる。 胸が締め付けられた。 だって、その文字の周りには。 苦しそうなカナコの心が、いくつも並んでいた。 ”いつ言おう” ”ユキさんは待つって言ったけど” ”私 いつになったら言えるかな” ”また誰かを好きになるのが怖い” ”タカみたいになるのが怖い” ”好きって言ったら 何かが変わりそう” ”怖い” 「………」 ユキは、次のページをめくった。