”買ってきてくれた洗剤 いつものと違う”
”服の匂いが変わっちゃう 嫌だな”
”今の匂いがすき”
”ユキさん 香水の匂いがした 誰だろ”
”嫌な気持ち”
”リンコさんが前に言ってた”
”ユキさんにたくさん女がいるって 本当かな”
「……アイツ、いい加減なことを」
”ユキさんモテるから”
”私も綺麗になりたいな”
「俺、お前にしか興味ないよ」
”寝るとき ユキさん 私の手にぎる”
「………」
ユキは自分の左手を見つめた。
頭の中で、カナコの小さな右手と繋いだ。
ふわふわと柔らかな彼女の手の感触と、優しい温もり。
カナコはよく、繋いだ手をじっと見てから、上目遣いになってユキの顔を窺う。
”汗かかないように 必死”
「コッチは、我慢に必死」


