余所者-よそもの-【 3 】




”洗い物がたまってた”

”リンコと潤のかな”

”みんなたくさんご飯を食べてくれてよかった 嬉しい”


”またコップ置きっぱなし”

”昨日と同じところ ユキさんが隠す場所わかってきた 楽しい”



ユキは夢中で、カナコの一言一言を目で追った。

いつの間にか、顔は綻んでいた。



”バンくんがウチに来るたびにジャンプを置いていく”

”持って帰ってくれない”

”バカナコって呼んでくるの むかつく”

”ジャンプ 読んでみたらハマった おもしろい”


”ご飯なに食べたい?って聞いたら”

”かぁこの作るものならなんでもいい って言われた”

”嬉しい でも困る 何にしよう”


”ユキさんのくつ下 また片方だけなくなった”

”脱衣所で脱いでって言ったら 買えばいいよって言われた”

”そういう問題じゃない 怒った”



たくさんのカナコの日常と、小さな感情。

ユキは時折「ふっ」と笑い、「ごめんね」と小さく謝った。


その愛しい文字に『ユキさん』と呼ばれるたびに、すぐそばにカナコがいる気がした。