”洗い物がたまってた”
”リンコと潤のかな”
”みんなたくさんご飯を食べてくれてよかった 嬉しい”
”またコップ置きっぱなし”
”昨日と同じところ ユキさんが隠す場所わかってきた 楽しい”
ユキは夢中で、カナコの一言一言を目で追った。
いつの間にか、顔は綻んでいた。
”バンくんがウチに来るたびにジャンプを置いていく”
”持って帰ってくれない”
”バカナコって呼んでくるの むかつく”
”ジャンプ 読んでみたらハマった おもしろい”
”ご飯なに食べたい?って聞いたら”
”かぁこの作るものならなんでもいい って言われた”
”嬉しい でも困る 何にしよう”
”ユキさんのくつ下 また片方だけなくなった”
”脱衣所で脱いでって言ったら 買えばいいよって言われた”
”そういう問題じゃない 怒った”
たくさんのカナコの日常と、小さな感情。
ユキは時折「ふっ」と笑い、「ごめんね」と小さく謝った。
その愛しい文字に『ユキさん』と呼ばれるたびに、すぐそばにカナコがいる気がした。


