ユキは慌てて屈んだ。
大切な友人からの手紙。
ベッドの下に、深く手を差し込む。
……あった。
手に触れたものを引き寄せた。
すると。
手紙と一緒に出てきた、一冊の大学ノート。
「なんだ、これ……」
自分のノートか?
見覚えのないその一ページ目を、
──めくった。
”思ったこと書けって言われたけど どんなこと書こう”
”獏さんはなんでもいいって言ったけど なんでもいいが一番難しい”
”あとで書こうって思ってたら 何書くか忘れた なんだっけ”
一行に収まる、短い一言が、いくつか。
カナコの日記か?
だったら、見ちゃ悪い。
そう思った。
ノートを閉じようと、指をかける。
その拍子にめくれた次のページ。
丸っこい文字で書かれた”ユキさん”が目に留まると。
「………」
閉じることが、出来なくなってしまった。


