──月日は、流れていった。
街の声も、移り変わっていく。
「瑞生だ」
「実質シトウのトップだろ」
「紫藤さんは?」
「やっぱアイツが殺したって」
あることないこと。
「話しかけろよ」
「お前がいけよ」
「瑞生に話しかけたけど、無視された」
「相手にされなかった」
「街の人間を見下してるんだろ」
「どうせ殴られるって」
増殖する噂、憶測。
事実に混じる、解釈、捏造。
「話しかけただけで半殺しだったって」
「目を合わせただけで殴りかかってくるらしいぞ」
「これまで何人も人を殺してきたらしい」
「冷酷で残忍な男だ」
シトウの王という虚像。
「紫藤の方が人間味があってよかった」
「瑞生のほうがまだまともだろ」
「でもシトウは紫藤さんだろ」
「今は、シトウの瑞生だろ」
終わりの街は、支配を求める。


