内装の大きな変更はないが、壁紙や床材の張り替え。
一番の目当てはキッチンの設置。
ユキは仕事前、もしくは仕事終わりにAnBarで食事を取ることが多い。
けれどキッチンがないため、いつも出来合いのものか冷凍食品だった。
『飽きませんか?』
よくカナコにそう尋ねられていた。
食事なんて腹に溜まればなんでもよかったのに。
それでも、マンションでカナコの手料理を食べるようになってからというもの。
AnBarでも、カナコの作った飯が恋しくなった。
ユキは、時々想像する。
帰ってきたカナコ。
キッチンのあるAnBar。
サンコンや潤たちと、カナコのつくった食事を囲みながら、少しの酒を飲む。
そんな日が、早く来ればいい。


