余所者-よそもの-【 3 】



それから、ユキの周囲は騒がしくなった。

野間が危惧した通りだった。


『紫藤さんをどこへやった』

『紫藤さんを返せ』


紫藤を慕う人間の、怒り、不安、恨み。

もしくは、

これらを面白がる人間の、好奇心、闘争心、功名心。


これまで野間が受け止めていたもの。

それ以上のものが、ユキへ一点集中した。


大半のもめ事は、露天街やZ地区の人間に任せるが。

喧嘩屋のような、組織がらみの喧嘩も少なくない。


いちいち相手にするのも面倒だと思ったユキは、外出時にサンコンを連れるようになった。


「私……こんなに幸せなことがあって、いいんでしょうか」


サンコンは喧嘩の頻度が増え、とても喜んだ。


しかし、そうなるとAnBarの営業がまともにできない。

どうせ店を閉めるならと、この機会に改装工事を行うことになった。