地面に這いつくばってもなお、睨みつけてくる喧嘩屋。
ユキは特に表情に色を乗せず、口を開く。
「よく聞け、喧嘩屋」
「………」
「野間が紫藤の居場所を吐くことはない」
「うるせぇ。吐くまでブチのめす」
「野間は、紫藤の居場所を言わないんじゃなくて、言えない」
「ああ!?だから俺は、」
「聞けって言ったろ」
拳を振り上げようとした喧嘩屋の腕。
ユキが足でガンッ!と押さえつける。
「……っ」
「野間には俺が口止めをしてる」
「………」
「野間が吐けば、紫藤は殺すことになってる」
ユキのその言葉に、喧嘩屋の目が見開かれる。
「お前が……紫藤さんを隠してるのか?見つけたのか?」
「なんで野間が居場所を吐かないか。なんで俺がいちいち助けに入るのか」
「………」
「少し考えればわかるだろ?頭、使えよ」
ユキは、温度のない瞳で喧嘩屋を見下ろした。


