ユキは街へと出た。
シトウを歩けば、いろんなヤツが後ろ指を指してきた。
「ほら、あれ。瑞生だ」
「あれが瑞生か」
「抗争のときの」
時には、殴りかかってくるヤツもいた。
「お前が瑞生か」
「………」
「腕の立つ男か試してやるよ。俺はシトウのコウ──……がハッ!」
相手が名乗り切る前に殴った。
……鬱陶しいったらない。
静かにしてろ。
やがて、シトウのメインストリート中枢にさしかかる。
そこには大きな人だかりができていた。
集まった野次馬を押しのけ。
人の壁を割いて、中へ中へと入っていく。
中心には、野間と喧嘩屋。
それから、それぞれの部下らしき男たち。
野間は喧嘩屋に組み敷かれ、一方的に殴られていた。
「いい加減、紫藤さんの居場所を吐けッ!!」
喧嘩屋は同じ言葉を何度も叫びながら、ゴス、ゴス、と野間を滅多打ちにしている。


