余所者-よそもの-【 3 】



「だから」

「………」


「僕は、お前がこの世で一番嫌いだ」

「……なんでだよ」


「これ以上トチ狂って、あの人の幸せを奪ってくれるな」


踵を返した千景。

紫藤は、遠ざかっていくその背中を目で追った。


「……本当。馬鹿ばっかだな」


月明かりに照らされた、自分の両手を見下ろす。


街……。
カエデ……。
カナコ……。


「………」

ゆっくりと、拳を握りしめた。