余所者-よそもの-【 3 】



「お前と一緒にすんなよ」

「………」

「お前は自分のモノじゃなきゃ気が済まないんだろうけど、僕は違う」


やがて千景は目を伏せた。

緩く広げた自分の両手を見つめている。


「僕は彼女が笑って生きられるのなら、その場所に送ることができる」

「………」


「僕が好きなのは、あの人自身。僕の気持ちがどうなるかなんて、どうでもいい」


千景のその愛し方は。

紫藤には到底、理解できない。


身を呈してカナコを守ろうとしたことと、同じ。


自分の身体も。

自分の、心さえも。


まるで、どうでもいい。


自己愛がない。

そのくせ、カナコだけは狂ったように大事にする。


やっぱり、地下の売人は。

……異常だ。


紫藤はそう思った。