瑞生。
シトウを負かし。
カナコの心を奪った男。
「どうして、お前は瑞生に付く」
「僕がアイツに付いた覚えはない」
「抗争で手を貸したろ」
「目的が同じだっただけだ」
目的は、カナコを守ること。
そのために、シトウを潰す。
二人に共通することは、カナコに向ける特別な感情。
それは、紫藤と変わりない。
「一度味方に付いて、シトウを潰して。それからカナコを奪うのか」
千景はカナコのためなら命さえ差し出す。
その異常な執着を、紫藤は一度目の当たりにしていた。
──『……痛みで、僕を止められると思うな』
──『こんな身体……どれだけ壊れたって構わない』
そんな紫藤に、千景は、
「かわいそうな男だな」
そう言って、蔑むような目を向けた。


