余所者-よそもの-【 3 】



その晩。

紫藤はなかなか寝付けなかった。


腹が立っていた。


「……クソが」

多夜にしても、アオイにしても。

好き勝手言いやがって。


寝がえりを打ち、目を閉じる。

瞼の裏に、床に散らばった写真が浮かんだ。


……ウザってぇ。

バサ、と布団を蹴り上げる。


ベッドを抜け出し、リビングで水を一杯飲む。


すると。

「……何の用だ」


灯りのない闇の中、ぬるりと現れた──千景。


「薬抜きは地獄だろ」


静かに、紫藤の隣に立った。


「そうでもねぇよ」


千景は「タハッ」と馬鹿にしたように笑った。


「残念だけど、ドラッグってのはそんな簡単に終わらない」

「………」

「今まともになった気でいるなら、それはやっとスタートラインだ。おめでとう」


パチパチパチパチ……、と夜に控え目な拍手。