「なぁ。恨んでたのか?ねぇさんは」 「………」 「ねぇさんは……ただ、お前に笑ってほしかっただけじゃないのか」 「死人に口なしだ。どうとでも言える」 「そうかもしれない」 アオイは写真を一枚拾い上げた。 「でも。私はずっと見てきた」 「………」 「ねぇさんに託されて。街も、お前のことも」 床に散った写真を目で辿っていく。 「お前はずっと、シトウの紫藤だった」 「………」 「この街の全部を、その身体一つで背負ってきた」 写真から、目を逸らした。