余所者-よそもの-【 3 】



「ねぇさんの遺品を整理した」


そう言うなり、アオイは手にしていた写真を放った。

何枚もの写真が、バサバサと床へ散っていく。


「私の撮った写真。それは別で保管されてた……多分、ねぇさんのお気に入り」


紫藤は床に落ちた写真へ軽く目をやり、顔を上げた。


「だからなんだ」

「見ろ。目を逸らすな」


「………」

紫藤は眉間に皺を寄せた。


床に散った写真は、どれも違っていた。

場所も、着ている服も、隣にいる人間も。


ただ、一つだけ共通点があった。


「お前が笑ってる」


どの写真も。

──紫藤が、笑っていた。


酒を片手に、いたずらっ子のような笑み。

誰かと肩を並べて、無邪気な笑み。


カナコの隣で、愛おしむような笑み。


どれも。

シトウに立つ男とは思えないほど、無防備な笑顔だった。