余所者-よそもの-【 3 】



「馬鹿野郎が……」

顔を上げ、多夜を睨みつける。


「じゃあ今、俺たちは瑞生から逃げてんのか」

「いいや。逃げきることさえできなかった」

「………」


「最終的には、カナコがここに残ることを選んだ。そして──……」


アオイの目が、紫藤を鋭く射貫く。


「瑞生は、カナコを止めなかった」


「………」

紫藤はしばらく沈黙した。

何かを考えるように、瞳を伏せた後。


「ははっ!」と、乾いた笑いを零し、

「どいつもこいつも馬鹿野郎だな」と、吐き捨てた。


「多夜。立て直すぞ」

「………」

「シトウが瑞生に負けた。今、街は荒れてんだろ。それなら、なおさらだ」

「……怜」


「俺が戻れば済む話。そうだろ?」


多夜は何も答えない。


「シトウの格は落とさねぇ。俺は立ち続ける。取り返す。──全部だ」