余所者-よそもの-【 3 】



沈黙が流れる中。

静かに部屋に入ってきた──アオイ。


「多夜は、シトウよりも、紫藤。お前を生かすことを選んだ」


アオイは、多夜の足りない言葉を補うかのように話しだす。


「だから街を捨てた。お前のために」

「……あ?」


「お前が塞ぎこんでいる間。シトウで、大きな抗争があった」


その言葉に、紫藤が大きく反応した。


「抗争……?ドコとだ」

「シトウ以外の人間。ほぼ全部と」

「Z地区と露天街が手を組んだってことか?」

「それだけじゃない。隣町から族も介入していた」

「首謀者は」


「瑞生」


紫藤の動きが、ピタリと止まる。

瞳さえ動かない。


ただ、口元だけがその名をなぞった。


「瑞生……だと?」