それはカナコとの会話を終え、日を置いても。
紫藤の頭にひっかかり続けた。
俺は、俺の為に、生きる。
お前の言う通り、生きてるだろうが。
だからお前が欲しいって言ってんだよ。
「………」
ふと、窓の外を眺める。
……他に、何がある。
夕焼け空。
じりじりと雲を焼きつける、オレンジ色の太陽。
「多夜」
紫藤は、窓辺に寄りかかり座っていた多夜に目を移す。
「街は、どうなってる」
「知らん」
「知らねぇわけねぇだろうが」
療養している間。
紫藤は一度もシトウに帰ってないし、多夜もずっとここにいる。
それでも幹部である多夜が知らないわけがない。
どこで何をしていようが、街の情報は入ってくる。


