「お前のためなら、なんでもやる」 「………」 「さっさと身体治して」 「………」 「今度こそ、お前を幸せにする」 その言葉に、カナコは顔を伏せた。 そっと手を引き、自分の胸の前で両手を重ねる。 「……私、好きな人、いる」 「瑞生だろ」 「………」 「じゃあ、なんでお前はここにいる」 「何度も言った」 「それでも聞いてる。なんでだ」 「シドに、生きててほしいから……」 紫藤は、再びカナコに手を伸ばした。 「………」 手を取る直前に、ぴたりと止め。 迷った末に、カナコの肘へそっと触れた。