余所者-よそもの-【 3 】



「悪かった」

「ううん。ごめんね、後ろ見てなかった」

「違げぇ」


紫藤は手の中にある温度を、強く握りしめる。


「俺が、お前を壊したことだ」


「………」

カナコは一度目を見開くと。


「……ほんとに、シドが戻ってきた」


柔らかく、微笑んだ。


「俺は、まともになる」

「うん」

「もう、お前を傷つけたりしねぇ」

「うん」


紫藤は、握るカナコの手を、ゆっくりと自分の口元に寄せた。



「お前が、好きだ」



まっすぐなその瞳に、カナコは縫いつけられたように動けなかった。