余所者-よそもの-【 3 】



紫藤が冷蔵庫の後ろを通り過ぎようとしたときだった。

──パタン。

カナコが冷蔵庫の戸を閉め、一歩後ろに下がった拍子。

紫藤の手に身体が当たり、持っていた皿が床に落ち、


──ガシャン、と割れた。


「ごめんっ!」


カナコがその声を上げるより早く、紫藤はその場に屈んだ。

目の前のカナコも慌ててしゃがみ込む。


「シドは座ってて」

「いい」

「私がやるから」


破片へ伸びるカナコの手を、紫藤は咄嗟に掴んだ。


「いい。俺がやる」


カナコが、ゆっくりと顔を上げた。


「………」

「………」


近い距離で、視線が重なる。