「ダメだよ」
「なんでだよ」
「お医者さんからまだだって」
「コッチが問題ねぇっつってんだよ」
「危ないよ。ダメ」
「監禁返しのつもりか?」
「そんなわけないじゃない」
紫藤はわかっていた。
医者の許可が下りなければ、カナコは外に出してくれない。
かと言って、勝手に家を出れば心配をかける。
だから医者の訪問日を確認した。
「あと少しの辛抱だよ。シド、最近どんどん回復してきてるし」
そう言って再び冷蔵庫を開けたカナコに、紫藤は「ふん」と鼻を鳴らした。
多夜にでも声かけるか。
付き添いがいれば、カナコにも心配かけないだろう。
そんなことを考えながら、食べ終わった食器を持ってキッチンに向かう。


