「おいチビ」
「なんだよ。ドラッグなら売らないぞ」
「いらねぇよ」
「だったら気安く話しかけんな」
「じゃあ俺の財布から金スッてんじゃねぇ」
「これは慰謝料だ」
「何のだよ」
「僕の精神的苦痛」
「あ?」
「僕はこの世でお前が一番嫌いだ」
なぜか同居している千景。
カナコの付き添いだとは聞いていた。
普段、紫藤は千景と特に会話はしない。
それでも、千景がカナコに対して執着に近い……何か、特別な感情を持っていることは知っていた。
以前、千景からカナコを奪う際に激しくやり合ったから。
コイツは妙だと、紫藤は思う。
カナコが好きなくせして、自分のものにはしようとせず。
カナコのために、嫌いな男の元までついてくる。
千景の怪しい目は、紫藤を見張っているようで。
何かを見守っているようでもあった。


