「アオイ」
「なに」
「お前、いつまで俺のストーカーしてんだ」
「お前に言われたくない」
「あ?」
「お前はカナコのストーカーな上に、監禁魔だろ」
「ぶっとばすぞ」
「私に監視されたくなきゃ、さっさと治れ」
「………」
「勝手に生きてろ」
仏頂面のアオイは、長らく紫藤に付きまとってきた。
学校にも通わず。
外に出られないカエデの代わりに、紫藤を一眼レフで監視し続けた。
なぜ、今になってもそばを離れないのか、理解ができない。
紫藤は、アオイが自分の介抱をしていたことはわかっていた。
口では『ありがとう』を言えない。
その代わりに、紫藤はアオイになんでも買い与えた。
アオイも『ありがとう』を言葉にしなかった。
それでも、必要なときに、必要なだけ。
その愛想のない手を貸した。


