余所者-よそもの-【 3 】



その日から。

紫藤は暇さえあれば、自分の身体を無理にでも動かした。


誰かの補助がなければ何もできない自分が、格好悪くてみっともない。

特に──……


「大丈夫?シド、私の肩に捕まって」

「いらねぇ」


カナコの手だけは、徹底的に振り払った。


テメェのことは、テメェでやる。

カナコが手を貸そうとすればするほど、紫藤は意地でも自分でやった。


必要なものは、自分の足で取りに行く。

ベッドの上まで運ばれていた食事も、やがてダイニングでとるようになった。

煙草は自分で吸うし、薬だって決まった時間に自分で飲んだ。


そうして、少しずつ。

時間をかけて。


紫藤は、自分の身体と向き合い続けた。


身体が動くようになるにつれ、頭もよりはっきりしてきた。

カナコ以外の人間とも、会話をするようになった。