余所者-よそもの-【 3 】




「雪の中、彼に捨てられたときも。彼が死んだときも……。シドのおかげで、生き直すことができた」

「……馬鹿だろ、お前」

「馬鹿、なのかな」

「………」


「シドは私に全部忘れろって言ったけど。私、やっぱり忘れられなかった」


カナコは眉を下げて、柔らかく微笑む。


紫藤は奥歯を噛みしめた。


──抱きしめたい。

その衝動に、指先だけが動いた。


どうして、俺はコイツを傷つけた。

どうすればいい。

どうすれば取り返せる。


この穢れた手で、今さら何をしてやれる。


壊したかった。

でも、同じくらい。

俺はコイツを守りたかった。


ただ、普通に──愛したかった。

……そのはずだった。