余所者-よそもの-【 3 】



謝って許される程度のことなら、とっくにそうしてる。


あの頃の記憶は。断片的だった。

ドラッグで、記憶の要所要所が飛んでいる。


それでも。

思い返すたびに強い吐き気をもよおすほど、クソ野郎だった。


帰りたいと言うカナコを、Re:bidoの狭い個室に閉じ込め。

嫌がるコイツを無理に抱き。

嫌な言葉を散々吐き散らかした。


「どうして……あんなことしたの?」

「さぁな」


どうしてだろうな。

俺はお前を壊したかった。


俺の腕の中で、お前がお前でなくなっていくたび。

俺の腕の中で、お前がボロボロになって崩れ落ちていくたび。


それが気持ちいいと思ったし、そうあるべきだとも思った。


自分と同じところまで堕ちて、堕ちて、堕ちて。

自分と同じような顔で苦しむお前を見ると。


一人じゃないことに、ひどく安心した。


「私、シドが怖かった」

「だろうな」

「大嫌いって思ったし、思い出しただけで怖くて、シドのことを考えるのも嫌だった」


その言葉に。

紫藤の胸は締め付けられ、苛立ちさえ込み上げてくる。