謝って許される程度のことなら、とっくにそうしてる。
あの頃の記憶は。断片的だった。
ドラッグで、記憶の要所要所が飛んでいる。
それでも。
思い返すたびに強い吐き気をもよおすほど、クソ野郎だった。
帰りたいと言うカナコを、Re:bidoの狭い個室に閉じ込め。
嫌がるコイツを無理に抱き。
嫌な言葉を散々吐き散らかした。
「どうして……あんなことしたの?」
「さぁな」
どうしてだろうな。
俺はお前を壊したかった。
俺の腕の中で、お前がお前でなくなっていくたび。
俺の腕の中で、お前がボロボロになって崩れ落ちていくたび。
それが気持ちいいと思ったし、そうあるべきだとも思った。
自分と同じところまで堕ちて、堕ちて、堕ちて。
自分と同じような顔で苦しむお前を見ると。
一人じゃないことに、ひどく安心した。
「私、シドが怖かった」
「だろうな」
「大嫌いって思ったし、思い出しただけで怖くて、シドのことを考えるのも嫌だった」
その言葉に。
紫藤の胸は締め付けられ、苛立ちさえ込み上げてくる。


