余所者-よそもの-【 3 】




──紫藤 怜は、朝日に照らされたカナコの顔を眺めていた。


それはあまりに美しい景色だった。

今の彼の目には、痛いほど。


「……眩しい。カーテン閉じろ」


カナコは立ち上がり、紫藤がいるベッドに影をつくるように、カーテンを半分だけ閉じた。

その表情には、まだ喜びが浮かんだまま。


紫藤はそんなカナコを。

……『かわいそうな女』だと、心から思った。


視線を合わせただけで喜ぶ。
言葉を返しただけで喜ぶ。
食事をとっただけで喜ぶ。

はてには、

外の景色を見ただけで、喜ぶ。


かわいそうなくらい。

カナコはずっと、紫藤が生きているだけで喜んでいた。


その度に。

紫藤の頭には、同じ疑問が浮かぶ。


なぜ。

この女が、ここにいる。


どうして、自分のそばから離れない。