余所者-よそもの-【 3 】



「正直僕は。街に戻ると決めた時点で、今度こそ死ぬって思ってました」

「なんで……」


「紫藤さん不在のまま抗争に負けた。なのに、この事情はとても説明できるものじゃない」

「………」


「なにせ、僕と多夜さんはシトウを捨てた。紫藤さん個人を救うために」


野間は、妙に穏やかな顔をしていた。


「だから。シトウの街の恨みつらみは、一度紫藤さんに殺された、この僕が引き受けるのが妥当。……そう、思ってました」


シドを生かす。

そのために野間は、死ぬ覚悟でシトウに戻ってきた。


私は泣きたくなって、俯いた。


「でも」

「………」

「助けられてしまいました」


その言葉に顔を上げると。

さっきよりも晴れやかな顔が、そこにある。


「瑞生さんや地下の売人が、シトウから僕を守ってくれてます」

「……ふたりが?」


「なんで僕なんかに手を貸すんだって聞いたら、素っ気なく『お前のためじゃない、かぁこのためだ』って言われました」

「………」



「この右目の傷痕のおかげで、──僕は今、生きることができています」



その言葉に。

もう、『ごめんね』とは。

言えなかった。